大切な子どもの人生を左右すると言っても過言ではない「習い事」。
「本当にこの習い事でいいのか?」「どうやって子どもに合う習い事を選べばいいのか?」このような悩みは、わが子を大切に想う保護者なら当然でてきます。
実際、習い事には数多くの種類やカテゴリーがあり、一人で複数の習い事をしている子も珍しくありません。
今回は、「この習い事を選んでよかった!」と思える習い事選びのために、教育業界のプロが入会前に見るべきポイントを厳選してお教えします。

習い事は子どもの意見だけで選んではダメ
子どもの意見だけで習い事を選ぶ家庭が増えているように感じます。
「子どもを尊重し、意見を聞く」という点では非常に大切ですが、子どもの意見だけで選んでしまっていいのでしょうか?
これまで多くの家庭を見てきた結果、「子どもの意見だけで習い事を選ぶ」のは絶対にやめましょう。
詳しく解説します。
子どもが選ぶポイントとは
では、なぜ子どもの意見だけで習い事を決めてはいけない(※)のでしょうか。
※「子どもの意見を聞いてはいけない」というわけではありません。
これは、子どもが習い事を選ぶポイントが不十分だからです。
子どもは、
- 友だちがいるか
- 先生が楽しいか
- ご褒美があるか
などの理由だけで選びがちです。
つまり、合理的な判断が(当然ながら)できないのです。
教室運営者の目線でいえば、「子どもの意見で入会を決める家庭」ほど簡単なことはありません。
なぜなら、体験時に子どもを楽しませさえすればいいからです。「検定に合格すると賞状がもらえるよ」「○○くんも通っているよ」なども効果的に働きます。
親が考えるべきこと
保護者が考えるポイントは、次の通りです。
- 送迎は必要か
- 交友関係のある子はいるか
- 保護者の負担はどの程度か
- 子どもの成長にとってプラスか
- 継続性はどれほどか
習い事の切り替えは子どもにとって負担になるだけでなく、保護者にとっても不利益が大きいです。
不必要なお金や時間がかかり、辞める際に少なからずストレスも感じます。
保護者の負担の一つである習い事の送迎についてはこちらの記事で解説しています。
習い事の体験で見るべきポイント

習い事の入会前に無料体験ができる教室がほとんどです。
体験には必ず参加し、次のポイントに注意して見てみましょう。
- 子どもが楽しんでいるか
- 開始時期が限定されていないか
- 受講生の様子は前向きか
- 適切な指導がなされているか
- 担当者の継続性はあるか
- トラブル時の対応が適切か
- 道具・教材の管理はきちんとされているか
子どもが楽しんでいるか
子どもの意見だけで選ぶのは危険ですが、実際に通う子どもが楽しく取り組めるかは非常に重要です。
学習効果は、子どものやる気にも大きく関係します。
ただし、質の低い楽しさ(ギャグやダジャレなどでの笑い)ではダメです。
習い事の時間としてメリハリがありつつも、習う楽しさを感じられるのであればいいでしょう。
開始時期が限定されていないか
習い事によっては、開始時期が限定される場合もあります。
「小学1年生になってから」、「4月からがベスト」などの条件がある習い事も。
どの時期がベストかを見極める必要があります。
受講生の様子は前向きか
実際の受講生の様子も重要です。
習い事に対して前向きに取り組んでいるかどうかを見ましょう。
例えば、勉強系の習い事の場合、手が止まっていたとしても「必死に考えている場合」と「飽きてしまっている場合」があります。見学・体験時にそのような光景を見た場合は、どちらなのかを判断する必要があります。
適切な指導がなされているか
習い事において、指導力は非常に重要です。
習い事中の指導が適切かどうかを見極めましょう。
ただし、保護者も素人の場合があり、指導が適切かを見極めることが難しい場合もあります。
その場合は、いくつか質問をし、その回答がわかりやすいかどうかで判断するのも一つの手です。
担当者の継続性はあるか
「体験のみ売れっ子指導者で、実際は別の担当者」ということも少なくありません。
体験を担当してくれた人が実際の担当になるのか、指導をしなくても管理者として教室に常駐しているのかを確認する必要があります。
トラブル時の対応が適切か
体験中に確実に見られるわけではないですが、トラブルが発生した際の対応も見ておきましょう。
- 地震
- 体調不良
- 遅刻
- 忘れ物
- お漏らし
これらのトラブル時にこそ、指導者や管理者の能力が問われることが多いです。
習い事とはいえ、大切な子どもを預けるので、きちんと確認しておきましょう。
道具・教材の管理はきちんとされているか
教室内の道具や教材がきちんと管理されているかどうか、確認しましょう。
整理整頓ができていない教室、子どもの荷物や教材がきちんと管理されていない場所は、子どもの指導にも少なからず影響します。
子どもは習い事のスキルだけでなく、社会性や整理整頓、マナーなども養う必要があります。
そういった意味でも、細部まで行き届いている教室を選ぶといいでしょう。
習い事の説明会で確認すべきポイント
体験以外に説明会や個別の説明、HPなどで確認すべきポイントをご紹介します。
- 管理者の割合
- 連絡手段
- 振替の対応
- 緊急・災害時の対応
- 受講料以外の料金
管理者の割合
管理者やスタッフの割合を確認しましょう。
理想的な割合は、10名程度の子どもに対して大人が1名付くくらい。これは、いざというときに安全を確保するのに必要な条件だと個人的には考えています。
学校では30名ほどの子どもを担任1名で見ているため、その程度の割合でも管理自体は可能でしょう。どこまで許容するかはお子さんの性格や学年に応じて決める必要があります。
連絡手段
連絡手段の確認もしましょう。
中には電話だけ、メールだけのような決まりがある場所も。入退室管理アプリを利用して、アプリ上で連絡ができる教室もあります。
トラブルになることは多くないですが、連絡がスムーズにできるように確認は必要です。
振替の対応
意外と考えている家庭が少ないのが、振替のルールです。
中には、振替ができない習い事もありますので、条件やルール含め事前に必ず確認しましょう。
特に、月曜日に開講している習い事は、「祝日の対応」や「振替先の空き枠」などを確認する必要があります。
緊急・災害時の対応
災害時の対応を確認しておきましょう。避難場所や連絡手段、保護者が帰宅困難になった場合の対応など、もしもに備える必要があります。
また、子どもが習い事中に体調不良になった場合、他の子どもとトラブルになった場合などを事前に確認できるのであれば安心できるはずです。
実際に通っている知り合いの保護者がいれば、直接聞いてみるのも手です。積極的に聞いていきましょう。
受講料以外の料金
受講料以外に料金がかかるかは必ず確認しましょう。
- 入会金
- 年会費
- 教材費
- 施設利用料
- 雑費
- 冷暖房費
このように、様々な名称で請求がかかる可能性があります。
実際に年間でかかる金額を算出し、月あたりの金額を把握しておくことをおすすめします。
さいごに
今回は、習い事選びで失敗しないためのポイントを解説しました。
- 子どもが楽しんでいるか
- 開始時期が限定されていないか
- 受講生の様子は前向きか
- 適切な指導がなされているか
- 担当者の継続性はあるか
- トラブル時の対応が適切か
- 道具・教材の管理はきちんとされているか
- 管理者の割合
- 連絡手段
- 振替の対応
- 緊急・災害時の対応
- 受講料以外の料金
これらのチェック項目を確認し、心配事を少なくしたうえで通えるといいですね。
子どものために、安全に、楽しく通えて学びのある習い事を選びましょう!

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